RA SUMMIT 2025 【活動報告】
はじめに
2025年2月14日、RA(レジデント・アシスタント)たちが一堂に会し、1年間の活動の成果を発表する「RA SUMMIT 2025」が開催されました。本イベントは、共立メンテナンスが主催し、全国の学生寮で活動するRAたちが集まり、情報交換や知見の共有を行う場です。今年で10回目の開催となる本サミットでは、RAプログラムの10周年を記念し、これまでの軌跡を振り返るとともに、今後の展望についても議論されました。
そもそも…RA(レジデント・アシスタント)とは?
寮生にとって心強い存在であり、寮生活を支援する寮生リーダーです。寮生の学生生活をもっと楽しく充実させるため、日々の生活サポートや寮生同士の交流を促進することを目的としています。”寮生のために何ができるのか”をRA自身で考え、日々試行錯誤を繰り返しながら活動しています。
RAプログラムは、【学生寮に住まう寮生のための経験学習プログラム】
RAプログラムは、「学生寮」を”生活の場”から「多様な経験の場」へとバージョンアップさせる仕組みです。RAは寮生や留学生の交流促進を目的としたイベントの企画・運営や、多様な背景を持った学生の共同生活の中で発生するトラブル解決に尽力します。そして活動は寮内にとどまらず、地域交流やSDGs活動を通して地域との共生も目指しており、またRA卒業生と現役RAのネットワークを構築し、少しずつ成功体験を積み上げていく中で、自己効力感が醸成され、人を慮ることができる人材へと成長していきます。
本記事では、そんなRAたちが参加した「RA SUMMIT2025」の当日の様子をお伝えします。
今回のサミットでは、以下のプログラムが実施されました。
第1部(会場限定):
・ゲストプレゼン(WID早稲田RA):「MVVの運用とチームビルディング」
・ポスターセッション:選抜8寮のRAが1年間の活動をポスターで紹介
第2部(会場+ライブ配信):
・特別講演①「学修・居住一体型キャンパスにおけるRA ~RA制度を支える仕組み~」
・特別講演②「RA活動の価値と効能」
・代表寮プレゼン:ベスト3寮
・5ミニッツプレゼン:1年間の活動を5分に凝縮
・スペシャルトーク:「ドミトーーク」
・主催者プレゼン:「RAプログラム10周年の軌跡と未来」
・ショート動画プレゼン:各寮のRAたちが30秒の映像に
・年間活動ポスター:A4サイズ1枚に1年間のRA活動のハイライトに
【ゲストプレゼン(WID早稲田RA):「MVVの運用とチームビルディング」】
本プログラムでは、早稲田大学RAによる3つの内容が報告されました。
MVV(Mission, Vision, Value)の導入と共有: WID早稲田RAチームは、10名のメンバーが共通の目的に向かって活動するため、MVVを策定しました。これにより、各メンバーが組織の使命、将来の展望、そして共有する価値観を明確に理解し、日々の活動に反映させています。
チームビルディングの取り組み: MVVを基盤としたチームビルディングを推進し、RA同士の連携強化を図りました。具体的な施策として、自己紹介やグループワークを通じて互いの理解を深める研修を実施しました。これにより、チーム内の信頼関係が強化され、効果的な協働が可能となりました。
今後の展望:異文化交流に焦点を当てたイベントの企画や、寮内コミュニティのさらなる醸成を目指す計画が発表されました。これらの取り組みを通じて、寮生同士の交流を深め、多様性を尊重する環境作りを推進していく意向が示されました。
これらの活動は、RAチームの結束力を高め、寮全体の活性化に寄与しています。また、MVVの明確化と共有は、組織としての一体感を醸成し、効果的なチームビルディングの基盤となっています。
【ポスターセッション:選抜8寮のRAが1年間の活動をポスターで紹介】
本プログラムでは、選抜8寮のRAが1年間の活動をポスターで紹介しました。
明治大学グローバル・ヴィレッジ: 明治大学の国際寮であるグローバル・ヴィレッジのRAたちは、国際色豊かな寮生同士の交流を深めるため、多文化共生イベントや語学交換セッションを企画・運営しました。これらの取り組みにより、寮内のコミュニティ強化と異文化理解の促進を図りました。
ドーミー駒沢: ドーミー駒沢のRAたちは、寮生の学業支援と生活サポートを目的とした勉強会や相談会を定期的に開催しました。また、地域清掃活動やボランティア活動を通じて、地域社会との連携を深め、寮生の社会貢献意識を育成しました。
明治学院大学 国際学生寮 MISH: 明治学院大学の国際学生寮MISHのRAたちは、国際交流イベントや文化紹介ワークショップを実施し、寮生間の異文化理解を促進しました。さらに、メンタルヘルスケアセミナーを開催し、寮生の心身の健康維持に努めました。
RUID朝霞台: RUID朝霞台のRAたちは、寮内のコミュニケーション活性化を目指し、スポーツ大会や趣味の共有イベントを企画しました。これらの活動を通じて、寮生同士の親睦を深め、協力関係を築きました。
RUID志木: RUID志木のRAたちは、新入寮生のスムーズな適応をサポートするためのオリエンテーションや、季節ごとのイベントを開催しました。これにより、寮生の生活満足度とコミュニティ意識の向上を図りました。
ドーミー東広島: ドーミー東広島のRAたちは、地域の伝統文化を学ぶワークショップや、地元住民との交流イベントを実施しました。これらの取り組みを通じて、寮生の地域理解と社会性の向上を目指しました。
KU ROKKO HOUSE: KU ROKKO HOUSEのRAたちは、学業支援プログラムやキャリア相談会を開催し、寮生の将来設計をサポートしました。また、環境保護活動やSDGsに関するセミナーを通じて、寮生の社会的責任感を育成しました。
ドーミー高尾: ドーミー高尾のRAたちは、自然環境を活かしたアウトドアイベントや、健康促進プログラムを企画しました。これらの活動により、寮生の健康維持とチームワークの強化を図りました。
各寮のRAたちは、これらの多様な取り組みを通じて、寮生の生活の質向上とコミュニティ形成に貢献しました。
特別講演では、国際教養大学の長野勇氏と早稲田大学の岡崎成光氏が、それぞれの大学におけるRA(レジデント・アシスタント)制度の取り組みとその効果について講演しました。
【国際教養大学 長野勇氏「学修・居住一体型キャンパスにおけるRA ~RA制度を支える仕組み~」】
長野氏は、国際教養大学におけるRA制度の特徴と、その運用を支える仕組みについて紹介しました。同大学では、学修と居住が一体となったキャンパス環境を提供しており、RAはその中で重要な役割を担っています。RAは、寮生間のトラブル解決やコミュニケーション促進のため、全30時間に及ぶ専門的なトレーニングを受けています。また、学生課との密接な連携体制を整え、生活自体を学びの一環と捉え、居住者同士が交流する環境づくりの重要性を強調しました。これらの取り組みにより、RAは寮生のサポートだけでなく、自身のリーダーシップやコミュニケーション能力の向上にも寄与しています。
【早稲田大学 岡崎成光氏「RA活動の価値と効能」】
岡崎氏は、早稲田大学におけるRA活動の意義と、その効果について述べました。同大学では、RAが目標行動計画シートや活動レポートを活用し、自己の活動を振り返り、改善意識を高める仕組みを導入しています。これにより、RA自身の成長だけでなく、学生寮全体の教育的価値を向上させることが可能となっています。さらに、RA活動を通じて培われるスキルや経験は、大学全体の価値向上にも寄与しており、RA制度が大学のミッション達成において重要な役割を果たしていることを強調しました。
【代表寮プレゼン:ベスト3寮】
全62寮参加の中間報告会「RA FESTIVAL」から選出されたベスト3寮によるプレゼンテーションが行われました。
ドーミー井の頭公園(成蹊大学): RA活動のこれまでの軌跡や、独自性を極めた寮内イベントを人気ドキュメンタリー番組風に発表しました。
Ryukoku Student Home 光輝(龍谷大学): イベント情報を告知するためにデジタルサイネージを導入したことや、他寮を巻き込んだイベント開催の成功事例について発表しました。
ドーミー坂戸(城西大学): 寮内イベントを昨年の3倍以上開催することで、寮生同士の関係構築やコミュニケーション活性化に注力したことや、今後の活動ビジョンについて発表しました。
【5ミニッツプレゼン:1年間の活動を5分に凝縮】
1年間の活動をわずか5分に凝縮し、6寮のRAがプレゼンしました。寮の特色を活かした多様な活動から寮外への取り組みまで、各寮の独創的な実践を発表しました。
KU I-House:関西大学の国際学生寮であるKU I-HouseのRAたちは、寮生間の異文化交流を促進するため、多様なイベントを企画・実施しました。具体的には、各国の文化紹介や料理教室、語学交換セッションなどを通じて、寮生同士の理解と連携を深めました。これらの取り組みにより、国際的な視野を持つコミュニティの形成に寄与しました。
ドーミー聖蹟桜ヶ丘:中央大学専用寮であるドーミー聖蹟桜ヶ丘のRAたちは、寮生の学業支援とコミュニケーション促進を目的とした活動を展開しました。定期的な勉強会やディスカッションセッションを開催し、学習意欲の向上を図りました。また、季節ごとのイベントやスポーツ大会を通じて、寮生同士の交流を深め、強固なコミュニティ作りに努めました。
ドーミー西荻窪:東京女子大学の専用寮であるドーミー西荻窪のRAたちは、寮内の交流活性化を目指し、自己紹介シートの作成や共有を行いました。これにより、寮生同士の理解を深め、新たな交流のきっかけを提供しました。さらに、初めてのRAプログラム導入に伴い、コミュニケーションの重要性を再認識し、寮内の連帯感を強化しました。
ドーミー南仙台:尚絅学院大学の専用寮であるドーミー南仙台のRAたちは、地域社会との連携を重視した活動を行いました。地元のイベントやボランティア活動に積極的に参加し、地域住民との交流を深めました。これらの経験を通じて、寮生の社会的視野を広げ、地域貢献の意識を育成しました。
武蔵野美術大学第二学生寮:武蔵野美術大学の第二学生寮のRAたちは、芸術系大学の特性を活かし、クリエイティブなイベントを多数開催しました。共同制作のワークショップや作品展示会を通じて、寮生の創造力を刺激し、協働の精神を育みました。これらの活動は、寮内のアートコミュニティの形成と活性化に大きく寄与しました。
RUTIL井の頭公園Ⅱ:東京大学の専用寮であるRUTIL井の頭公園ⅡのRAたちは、寮生の多様なニーズに応えるため、幅広い活動を展開しました。学術的なセミナーやキャリア相談会の開催により、寮生の知的好奇心と将来設計をサポートしました。また、スポーツイベントや文化交流会を通じて、寮生同士の親睦を深め、バランスの取れた生活環境を提供しました。
これらのプレゼンテーションを通じて、各寮のRAたちは独自の工夫と情熱を持って、寮生の生活を豊かにする取り組みを行っていることが共有されました。
【スペシャルトーク:「ドミトーーク」】
狛江インターナショナルハウス、ドーミー聖蹟桜ヶ丘、武蔵野美術大学第二学生寮、ドーミー井の頭公園のRA4名が発表者として登壇し、RUID朝霞台RAがアシスタントとして登壇しました。
このセッションでは、各RAが自身の寮での取り組みや経験、そして直面した課題やその解決策について共有しました。具体的な内容としては、寮生同士の交流を深めるためのイベント企画や、地域社会との連携活動、RAとしての役割や責任感、そして活動を通じて得た成長や学びなどが挙げられます。これらの共有を通じて、他のRAや参加者たちは新たな視点やアイデアを得ることができ、今後の活動の参考とすることができました。
「ドミトーーク」は、RA同士が互いの経験や知識を共有し合う貴重な機会となり、寮生活の質向上やコミュニティの活性化に寄与する場となりました。
【主催者プレゼン:「RAプログラム10周年の軌跡と未来」】
本プログラムでは、RAプログラムのこれまでの成果と今後の展望が共有されました。
10年間の軌跡: RAプログラムは2015年に本格的に導入され、現在では北海道から九州までの寮で約210名のRAが活動しています。 この10年間で、RAたちは寮生の日々の生活サポートやイベントの企画・運営を通じて、寮生同士の交流を促進し、寮内コミュニティの活性化に寄与してきました。また、地域交流やSDGs活動を通じて、地域との共生も目指してきました。
今後の展望: プレゼンテーションでは、RAプログラムがもたらすメリットを踏まえ、「ドーミーシリーズ全棟にRAプログラムを導入する」という目標が発表されました。 これにより、より多くの寮生がRAプログラムの恩恵を受け、充実した寮生活を送ることが期待されています。さらに、RAプログラムを通じて、寮生の成長とコミュニティの形成を支え、共立メンテナンス全体の価値向上に寄与することが目指されています。
このプレゼンテーションを通じて、共立メンテナンスとRAが共に歩んできた10年間の成果と感謝が伝えられ、未来への期待と共に、新たな挑戦の道筋が描かれました。RAプログラムは、今後も寮生の生活を豊かにし、コミュニティの発展に貢献していくことが期待されています。
【ショート動画プレゼン:各寮のRAたちが30秒の映像に】
全国のRAたちは、1年間の寮生活のハイライトや学びを映像にまとめました。狛江インターナショナルハウスでは、地域イベントへの参加の様子を紹介。親子で楽しめる企画を考案し、夏の思い出として残るよう工夫しました。当日はRAだけでなく寮生も運営に加わり、地域の方々の笑顔を見て、大きな達成感を得たと発表されました。
RA SUMMIT 2025では、10周年の節目として、過去の成果と未来の展望が総括されました。RAたちは、それぞれの寮で独自の取り組みを展開し、寮生の成長とコミュニティの発展に貢献していることが改めて確認されました。今後、RAプログラムはさらに拡大し、より多くの寮で導入されることが期待されます。今回のサミットを通じて、RAの価値と意義がより明確になり、次世代のRAたちにとっての指針となる貴重な機会となりました。
ドーミーでは、頑張る学生を応援しています。
学業に専念しながら、交友関係を広げられる場所。
あなたの夢に寄り添う生活を。