2020年より小学生以上の年代で段階的にプログラミング教育が導入され、注目されつつある「プログラミング教室」。
お子様のためにプログラミング教室に通わせることを検討されている親御さんも多いのではないでしょうか。
私自身その講師として数年間従事した経験からプログラミング教室の実情をお話いたします。
※個人的な意見も含まれるため参考程度にご覧ください。
プログラミング教室に通わせるべき?
最初に結論を述べておきます。
プログラミング教室には「正確な目的」と「通わせるタイミング」の認識が必要です。
これがなければお金がもったいないです。
プログラミング教室の目的
よく親御さんに勘違いされるのが、プログラミング教室の目的になります。
もちろん例外はありますが、一般的なプログラミング教室の目的はお子様の”論理的思考力”の育成です。
プログラミングができるようになることではありません。
(目的に関してはそれぞれ希望する教室のHPでご確認いただくのがいいかと思います)
ではその論理的思考力とはどういった力なのか…
論理的は広辞苑によると「論理の法則にかなっているさま」という意味らしいので、論理的思考力は「論理の法則にかなっている考え方」といえるでしょう。
分かりづらいのでここでは筋道が通っていることという風に解釈します。
例えば、自分の作りたい家をイメージしてもらい、それに必要な要素を考えてもらう。
いわゆる家の設計図づくり想像してみるといいかと思います。
壁の色や屋根の形などイメージしたもの(ゴール)と使うもの(過程)が一致していなければイメージ通りの家は完成しませんね。
※余談ですが家の設計図のような考え方が論理的思考力であることから、よく「マインクラフト」というゲームが使われるのも理解できるかと思います。
ゲームとして興味を持たれやすいという一面もあるかとは思いますが…
論理的思考力に関して
さて、前述の論理的思考力を理解したうえでぶっこんだことを言いますが、
プログラミング教室だから養われる論理的思考力というのはありません。
何が言いたいかというと、基本的にプログラミング教室で身に付けられる論理的思考力は他の習い事でも身に付きます。
例えば、ピアノを習っている場合。
発表会では、ミスなく演奏するという目標に対して、毎回間違ってしまう箇所が無くなれば目標を達成できると考えた。
などです。
これは親御さんが意識して「発表会までに何が必要?」などと質問するだけでも変わる部分だと考えています。
※細かなことをいうとなぜそう考えたのかまで言えるとよりよいのですが…
プログラミング教室では対象を「ピアノ→プログラミング」、聞き手を「親御さん→講師」としているだけです。
日頃親御さんが意識して聞くことが難しいのであれば、代わりに講師が習慣的に聞くことができるため、ある程度の効果は見込めるのかもしれません。
しかし、高いお金を払った結果が”自分の意識次第でどうにかなる”と考えると、勿体なく感じてしまう可能性があります。
プログラミング教室に行く意味
かなりネガティブな内容になっていますが、ここからはプログラミング教室に行くメリットもお話できればと思います。
結論、「タイピング練習」と「パソコンに慣れる」。この2点です。
私の教えていた教室やその他の教室に聞いても、タイピング練習はほとんどやっています。
そもそもパソコンが家にないご家庭もまだまだあったり、タイピング練習を家でやらせようにもお子様のやる気が起きないことが多かったり、やったとしても飽きてしまったりする場面が多くあるようです。
これに関しては、ある程度強制力をもった教室に行くことで必然と練習してくれますし、中にはタイピングが楽しくてどんどん成長してしまうお子様もいらっしゃいます。
指使いなども正しく教えるので変な癖がつかなく、成長した後もやってよかったと思える習い事になります。
また、パソコンに触れておくだけで抵抗感を減らし後々に良い影響を及ぼしているなと感じました。
学校でパソコンを触る機会が増えているようですが、一躍人気になったお子様もいらっしゃいましたね(笑)。
プログラミング教室のいい点はこうしたところに現れているのではないかと感じます。
もし、プログラミング教室に通わせることを考えている親御さんは、こうした点をメリットに感じる場合迷わず通わせるべきだと思います。
注意点
最後に講師目線からの注意点ですが、年長さんや小学校低学年の小さなお子様が通う場合は教室に多くを期待しないことをおススメします。
親御さんであれば重々承知しているかもしれませんが、まだ小さなお子様は”考えるフェーズに入っていない”ことが多いです。
講師が子守り役のような形になってしまい、論理的な思考はおろかパソコンに触れることすらできないお子様もいらっしゃいます。
その状態であれば支払われる金額に比べて提供できるものが少ないため、まずは他の習い事をしてみて、少し大きくなったタイミングで教室に通い始めることを視野に入れるといいのかなと思います。
さいごに
今回の話をまとめると、
・プログラミング教室はプログラミングができるようになる所ではなく、論理的思考力を養う所。
・ただその論理的思考力は別の習い事でも身に着けることはできる。
・一方、タイピング練習とパソコンに慣れる面では超おススメできる。
・低学年や年長さんはまだ考えるベースができておらず、他の習い事を一度考えてみてもいい。
です。個人の力が重要視されつつある世の中で、お子様の習い事には迷うことが多いとは思いますが参考になれば嬉しいです。
(世の中すべてのプログラミング教室に当てはまるわけではないことにお気を付けください。あくまで論理的思考力の育成を目的としている教室に当てはまる可能性が高いという認識でお願いいたします)