社会人の 95.2% が「学生時代にもっとやっておけばよかったことがある」――2025 年3月に公表された R&G 調査(20〜50 代・438 名対象)では、そう回答した人がほぼ全員を占めました。さらに別の調査(キャリアクラフト、2025 年4月・300 名対象)でも同様の声が続出し、大学生活は“後悔の温床”にもなり得ることが浮き彫りになっています。そこで本稿では 社会人の後悔ランキング と現役大学生の最新トレンドを突き合わせ、「今やっておくと将来の選択肢が広がる 10 項目」を厳選。学業とプライベート両面をカバーし、すぐに行動へ移せるヒントを盛り込みました。時間も柔軟性も最も高い大学4年間をどう使うかが、社会人になったときの満足度を大きく左右する——それが先輩たちの実感です。本稿では「学業」「キャリア準備」「プライベート充実」の3軸から 10 項目を深掘りし、最新データと具体的アクションを盛り込んだ“後悔ゼロ”ガイドに仕立てました。
1. “専門+越境”で学ぶ──履修要件は最低ラインにすぎない
学費1単位当たりのコストは平均1万5千円超と言われます。専攻科目だけで卒業単位を揃えるのは“最低限の元取り”に過ぎません。他学部科目の履修や**MOOC(大規模公開オンライン講座)**を追加すれば、専門外の視点が手に入り、卒論や就活面接で差がつきます。例えば経済学部生が情報学の「Python 初級」を取れば、統計解析が格段に楽になり、ES で「異分野を横断して学んだ経験」として語れます。履修上限は大学によって違いますが、+4〜6単位は十分現実的。授業外なら edX の無料講座で“英語×プログラミング”の同時強化も可能です。
2. 資格取得──“伸びしろの証明書”を学生価格で
社会人調査の“後悔ランキング”2位は資格取得。TOEIC 受験料は学割で 6,490 円、社会人になると 8,470 円。FP3級や簿記 2 級も最大 2,000 円安く受けられます。IIBC 公表値によれば大学4年生の TOEIC 平均は 611 点。“600 点台前半→700 点超”は 90〜120 時間の学習が目安と言われます。夏休みに1日2時間を確保すれば達成可能な数字です。資格はスコアより「学習プロセスで何を得たか」を語れるかが重要。学習計画、使用教材、進捗管理を Notion などで可視化し、面接で提示できるポートフォリオにしておくと強力なエビデンスになります。
3. 海外体験──“時・金・自由”が同時に揃う最後のタイミング
旅行・留学を挙げる後悔も上位常連です。ハワイ4泊6日ならパッケージ平均 23〜53 万円ですが、LCC とドミトリーを組み合わせれば 10 万円台でアジア一周も可能。大学協定の短期留学や JASSO 給付型奨学金(上限 16 万円)を利用すれば、実質自己負担数万円で1ヶ月の語学研修に参加できます。オンライン国際インターンを含めると、海外経験は“高嶺の花”ではなく“情報戦”です。帰国後はブログや SNS で文化ギャップや学びを発信すると、ES の「発信力」「異文化適応力」の実証にもなります。海外体験の最大のメリットは、単に語学力が向上するだけではありません。株式会社NEXERが採用担当者に行った調査では、75.2%が「留学経験のある学生は印象が良い」と回答し、企業側がグローバル適応力を高く評価していることが分かります。また JASSO の留学者追跡調査では、留学後に「キャリア観が変わった」と答えた学生が 65.7% に上り、働く目的を「年収」よりも「社会的意義」や「国際的な挑戦」に置く傾向が強まりました。実践面でもメリットは多彩です。異文化の中で生活すれば、習慣や価値観の違いに柔軟に対応する「適応力」が鍛えられます。現地で銀行口座を開く、SIM を契約するなどの日常タスクは、問題解決力と英語の実用スキルを同時に養う小さなプロジェクトです。さらに、グループワークや寮生活を通じて築いた国籍の枠を超えた人脈は、帰国後のインターンや将来の転職で思わぬチャンスを運んでくれる“ソーシャル資産”になります。経済面でも長期的リターンは大きいと言われます。英語人材の年収は非英語人材より平均で 68 万円高いとの転職市場データもあり(Englead 調べ)、初期投資を回収する期間は意外と短いのが実情です。つまり、学生のうちに「時・カネ・自由」がそろう海外体験へ踏み出せば、スキル・人脈・収入ポテンシャルの三拍子を同時に手に入れ
4. 友人と“バカをやる”──濃い思い出は一生の自己肯定資本
社会人になると、仲間と日程を合わせて“本気の遊び”に時間と体力を注ぐことは想像以上に難しくなります。残業、休日出勤、家族行事――自由な丸一日が月に一度取れれば良い方です。だからこそ大学時代の「終電を逃して語り明かす」「寝袋だけで北海道を一周する」「文化祭で徹夜し巨大オブジェを作る」といった“バカ企画”は、今しか味わえない贅沢な学びの場でもあります。共同で無茶をやり切るプロセスには、計画立案→役割分担→トラブル対応→成果物の共有というミニプロジェクトの要素が詰まっています。心理学の研究でも、困難を乗り越えたチームはメンバー間の自己肯定感とレジリエンスが高まると報告されています。社会に出てから求められる「巻き込み力」「折れない心」は、教室よりもキャンプ場や深夜のカラオケボックスで鍛えられるのです。何より、全力で遊んだ体験は人生を振り返るときの“栄養価の高い思い出”になります。後悔ゼロの大学生活を語る社会人は、例外なく「一緒にバカをやった友達」が今も最大の財産だと言います。時間と自由がそろう今こそ、スケジュール帳に“全力で遊ぶ日”を堂々と書き込みましょう。
5. アルバイト&インターン──実践で適性を測る実験場
全国大学生協連の調査によると、アルバイト就労率は 76.8%、週平均 12.1 時間、月収平均 5 万 1,000 円。とはいえ単に時間を売るだけでは“働く意味”は見えてきません。接客・ライター・プログラミングなどタイプの違う仕事を短期でローテーションし、「自分が楽しく成果を出せる環境」を検証しましょう。企業インターンは“選考直結型”が増え、24 卒生の 30.0%が3月末までに内々定取得というデータも。 早めに動くことで“本選考前に勝負が決する”流れに乗れます。
6. お金のリテラシー──月 1,000 円から始める投資の実験
NISA 拡充により投資は「知っていて当然」の時代。Money誌 2024 の調査では社会人の 78% が「もっと早く資産運用を始めればよかった」と回答。ポイント投資や学生でも作れるネット証券口座を使い、インデックスファンドを月 1,000 円積み立てるだけで“複利”が実体験できます。Excel やアプリで資産推移を可視化しておくと、ES の「数値管理力」で使える副産物も得られます。
7. 健康習慣──10 分ジョグで“運動脳”を作る
筑波大学の研究では、軽い有酸素運動を10分行うと前頭前野が活性化し注意・判断力が向上することが示されています。レポート前・試験前にキャンパスを1周するだけで集中モードへ切り替わるのなら、コスパ最強の習慣です。1 日のスマホ・ネット依存が学生平均 7.8 時間というデータもある現代、“動のリフレッシュ”で頭をクリアにする重要性は増すばかりです。
8. 発信力──ブログと SNS を“人生のポートフォリオ”に
検索で名前を調べ、SNS アカウントまで確認する採用担当者は 55.6% にのぼるという調査結果があります。記事や動画で学びや体験を発信しておくと、オンライン名刺として機能し、OB・OG との接点も生まれやすくなります。X(旧 Twitter)で学習プロセスを公開→Qiita 記事で技術共有→LinkedIn に英語レジュメを投稿——三層連携で“アウトプットの連鎖”を仕込めば、面接前から評価が始まる時代に先手を打てます。
9. 地域・社会貢献──“小さな当事者”になる経験
キャリタス調査ではボランティア経験者は OB・OG 訪問率が 1.6 倍という結果が出ています。地域清掃や子ども食堂スタッフなど、週1回から始められる活動は豊富。社会課題への当事者意識が芽生えると「御社の SDGs 戦略に共感した」という言葉に実体が伴い、面接官の深掘り質問にもブレずに答えられます。
10. デジタルデトックス──思考の深さを守る 24 時間オフ
総務省調査では大学生のスマホ利用は1日平均 4.9 時間と言われていましたが、最新の NTT ドコモ研究所データではネット総利用時間が 7.8 時間 に拡大。 週1回 24 時間スマホをオフにするだけで睡眠の質が改善し、翌週の集中学習時間が 1.4 倍になった国内大学の実験も報告されています。勉強も遊びも“オンオフのリズム”でパフォーマンスが変わることを体感しましょう。
なぜ社会人は「学生時代にもっと〇〇しておけば」と強い後悔を抱くのか
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時間の錯覚と現実のギャップ
学生のころは 1 日の大半を授業と自由時間が占めますが、フルタイム就労後は可処分時間が激減します。総務省 「社会生活基本調査」によれば、20–24 歳(主に学生)の平日自由時間は平均 約5 時間強なのに対し、25–34 歳の正社員層では3 時間を切ります。自由時間が4割近く縮むことで、やり残しが一気に「取り返しづらい」ものに変わるのです。「必要になって初めて価値に気づく」後追い型学習
社会人438 人調査では、95.2 %が「学生時代にやるべきだったことがある」と回答し、1 位「勉強」32.9 %、2 位「資格取得」26.0 %が双璧でした。理由は「仕事で直面して初めて不足を痛感した」が最多。ビジネスシーンで語学やITスキルを求められた瞬間、“先行投資”の必要性を思い知らされる構造です。 -
時間と費用の二重制約
5,700 人対象のエン・ジャパン「社会人の学習習慣」調査では、リスキリングを「やらない」理由として**「時間がない」(71 %)「費用負担が大きい」(44 %)**が上位を独占しました。学生割引や授業の空きコマを「コストゼロ」とみなせる時期を逃した痛みが強調されています。 -
将来視点の欠如と現在バイアス
行動経済学でいう“現在バイアス”——遠い将来の利益より目先の快楽を選ぶ傾向——が、若年期ほど強く表れます。学生は「社会人になってからでも出来る」と考えがちですが、実際には前述の時間・費用制約と家庭責任が加わり選択肢が狭まるため、「先延ばしコスト」に初めて気づくのは社会に出てからというわけです。 -
道が固定される“パス・ディペンデンス”
最初の就職で選んだ業界・職種がその後の経験値や人脈を決定づけ、「学び直し」を妨げるケースも多いと言われます。学生時代に越境学習や海外体験で視野を拡げていれば、キャリアの枝分かれを早期に試行できたはず――という“機会損失”も大きな後悔要因です。 -
比較対象が増える「社会的参照」
同期や取引先と日々接する社会人生活では、スキルや経験値の差が可視化されやすくなります。キャリア初期で「語学が堪能な同期」「高度資格持ちの先輩」と比較しやすい環境が、後悔感情を加速させます。
結論:
時間・費用・責任という3大制約が社会人になると一気に襲いかかり、学生時代の“先延ばし”を高コスト化するために後悔が強く残る。さらに職場での相対比較が、自分の不足を日々突きつける――これが調査データと心理学が示すメカニズムです。
こうした“後悔の構造”を理解したうえで、いま大学生が自由度の高い4年間をどう使うかを逆算すれば、将来「やっておけば…」を「やっておいて良かった!」に変えられるはずです。
後悔の声を“行動の羅針盤”に
- R&G 調査:社会人の 95.2% が学生時代の後悔を抱え、トップ3は「勉強」「資格」「アルバイト」
- キャリアクラフト調査:自由時間の活用・友人との思い出・旅行・留学を挙げる声が多数
- 共通点:時間と自由度の高さを生かし切れなかったことへの無念
これらのデータは、「今やっておく価値が高い行動」を照らす指標です。学外に一歩踏み出し、多様な人と経験を共有し、学びと遊びの両輪を全力で回す――それが将来の“後悔コスト”を最小化する最善策と言えます。
学生会館ドーミー札幌で実現する“挑戦しやすい生活基盤”
- 24 時間使える自習室で語学勉強も資格学習も集中
- バランス食と規則正しい生活リズムで健康習慣を後押し
- 多彩な学生コミュニティがボランティアや旅行仲間づくりを促進
自由と安心が両立する環境があれば、10 の挑戦はぐっと現実的になります。後悔ゼロの大学生活へ、まずは今日できる一歩から動いてみてください。
ドーミーでは、頑張る学生を応援しています。
学業に専念しながら、交友関係を広げられる場所。
あなたの夢に寄り添う生活を。